JHATとは


設立趣旨

 2011年3月11日金曜日といえば、誰もが「東日本大震災」(以下、3.11)が起きた日として記憶に新しいことと思います。
しかし、1995年1月17日火曜日と聞いて「阪神淡路大震災」を思い浮かべる人が、どれほどいるでしょうか。
人の記憶は曖昧といわれますが、阪神淡路大震災の経験は、16年後に起きた東日本大震災に確かに活かされ、特に日本透析医会災害時情報ネットワークによる災害時情報伝達は、迅速な支援活動に大きく寄与したこととして根付きました。災害時における透析医療には、このような情報ネットワークが必須の機能であり、情報を活かすことに大きな意義があります。
 現在、東南海広域、首都圏直下型の地震が危惧されており、その被害規模は、3.11遙かに超えるものと予想されています。3.11での経験がそのまま通用するとは思えませんが、これまでの経験してきたことを次の災害に活かすことこそ、被災された方々や不幸にして命を落とされた方々へ報いる唯一の道であろうと考えます。

 今回、透析医療における災害時情報網をさらに拡大し、縦横無尽の情報共有と支援活動を目指し「日本災害時透析医療協働支援チーム:JHAT(Japan Hemodialysis Assistance Team in disaster)」を設立しました。
ここにJHATの活動内容をご紹介し関係各位の賛同、協力をお願いする次第です。

JHATは、以下のような趣旨により災害時における医療支援、支援物資供給センター設置などを迅速に行って参ります。

  1. 災害時透析医療において、日本透析医会災害時情報ネットワークによる災害時情報伝達システムを最大限に活用する。
  2. 構成団体は、日本透析医会、日本臨床工学技士会、日本腎不全看護学会、日本血液浄化技術学会及び、本提案に賛同する透析医療関連協力団体(企業)とする。
  3. 被災後における透析医療継続、再開に向けた迅速、円滑な情報収集(先遣隊、情報コーディネーターネーターなどによる情報収集活動)、透析医療業務支援、物資の供給、などを行う。
  4. JHAT隊員として個人の職種、氏名を明示し、被災地における不審者と見なされることなく積極的な活動を行う。

事務局長 山家敏彦

組織構成

 構成団体の中心を日本臨床工学技士会(災害対策委員会)、日本腎不全看護学会(リスクマネージメント委員会)、日本血液浄化技術学会(災害対策委員会)などの実働的団体および日本透析医会とし、 従来からわが国で構築されてきた透析医療における災害時情報ネットワーク災害時情報伝達方式を有効に活用するために強固な連携を構成、維持する。
また、JHAT の活動に賛同する透析医療関連団体および企業を協力団体とし、厚生労働省をはじめとする行政とJHATの協力態勢を確立する。

役割

1)本部
 災害発生時に JHAT による支援活動が必要と判断された場合は、本部機能を下記に設置し対応にあたる。
 JHAT 支援活動の必要性は、各情報コーディネーターによる情報をもとにコア4団体における緊急協議のうえ迅速判断を行い支援開始となる。

本部:
 〒243-0292 神奈川県厚木市下荻野1030
 神奈川工科大学 K4号館 407号室
 TEL:046-291-3069
 FAX:045-330-6863
 Email:info@jhat.jp

2)情報コーディネーター
(1)役割
 被災地の情報を中心に、発生した災害に関する知り得る情報を日本透析医会災害時情報ネットワークメーリングリスト「joho-ML」を用いて情報共有する。
 被災地外の情報コーディネーターであっても、必要と思われる情報は積極的に提供する。
(2)登録
 日本透析医会災害時情報ネットワークメーリングリスト「joho-ML」に登録する。本メーリングリストは2000年の開設以来、これまでに発生した大規模災害時を中心に活動実績を持ち、 JHAT活動における情報共有ツールとしても登録者(情報提供者)を増員し引き続き活用していく。

登録に関する現況は以下のとおり。
・日本透析医会
 日本透析医会会員施設担当者(医師を中心に)を登録済みであり、引き続きこれまでの災害発生時情報共有活動を継続する。
・日本臨床工学技士会
 47都道府県臨床工学技士会の災害対策担当者(2~3 名)が登録済みである。
・日本腎不全看護学会
 日本臨床工学技士会と同様に、各地域の看護師担当者の登録作業を今後進めていく。
・日本血液浄化技術学会
 会を中心的に構成する職種が臨床工学技士であり、日本臨床工学技士会登録者と重複するため、地域担当者の登録は行わない。
・その他の医療関係団体・企業
 JHAT の活動に賛同する協力団体の医療関連企業および関連団体への登録を求める。
・行政関係
 厚生労働省健康局疾病対策課等中央行政担当者及び各都道府県行政担当者(47都道府県すべて)が登録済みであり、メーリングリストにあげられた情報は直接行政に届けられている。

3)支援コーディネーター
(1)役割
 有事の際、支援コーディネーターが迅速に被災地へ出向き情報を収集し、被災情報を本部に伝達する役割を担う。
 支援コーディネーターは、現在居住あるいは勤務している地域での登録以外に地理に詳しい都道府県を情報として登録し、発災早期に地理に詳しい被災地透析医療施設の状況、医療現場のニーズを調査し、本部へ報告する。情報は、支援物資やボランティアなどの支援体制を調整するために活用する。
 今後の展開として、登録された支援コーディネーターを中心に都道府県 JHAT を組織する。
(2)登録
 臨床工学技士登録者は日本臨床工学技士会、看護師登録者は日本腎不全看護学会を通じて各都道府県単位で登録する。(登録作業は鋭意準備中)
 これらの登録者が被災地に赴く際の保証制度(保険等)は、登録作業と並行して整備する。

4)各協力団体、企業の役割
 本活動は、血液浄化関連の広い領域を横断的な協力態勢で構築することが望ましく、本キックオフミーティング後において、以下のような団体へ協力を求める予定である。
  日本透析医学会
  日本急性血液浄化学会
  日本看護協会
  日本腎不全栄養研究会
  日本医療機器テクノロジー協会
  日本製薬工業会
  他

5)災害発生時の行動概略
 本部はメディア報道及び情報コーディネーターからの情報を集約して被災地域を特定する。
 該当する被災地域及び被災地周辺地域の支援コーディネーターの複数グループを被災地に派遣。(1グループは2~3名で構成)
 派遣された支援コーディネーターはグルーブ間で連絡を取り合い、現地のキーパーソンに接触して被災情報を得る。
 得られた情報は本部へ報告し、本部は「joho-ML」へ報告するとともに支援物資及び支援ボランティアニーズを調整する。
 派遣された支援コーディネーターは情報収集を主目的とするが、業務支援が緊急的に必要になった施設に遭遇した場合、可能な範囲でこれに協力、支援にあたることもありえる。