活動要綱


【改訂履歴】
 平成28年4月1日
  Ⅰ.会則策定
 平成28年10月19日
  Ⅱ.災害時における活動要項付加
 令和4年9月12日
  活動要綱を事務局運営規程および活動要綱に分離し全面改訂

(目的)

第1条 本要綱は、大規模災害発生時にJHAT隊員が被災地のニーズに応じた柔軟で円滑な災害支援活動を実践するための、体制及び対応方法について定めるものである。

(対応区分)

第2条 事務局は収集した情報に基づき対応レベルを決定し、活動宣言を発出する。情報の収集は日本透析医会災害時情報ネットワーク(以下、災害NW)及び日本透析医会災害時情報ネットワークメーリーングリスト(以下、joho-ML)を中心におこなう。その他、構成団体で集められた情報やSNS等を組み合わせるなど柔軟な情報収集を行う。

  1)レベル1(情報収集対応)
  • [1] JHAT隊員、災害情報コーディネーター及びJHAT事務局員などによる被災地の情報収集が必要な場合。
  • [2] 震度6弱以上の地震、風水害、噴火などの災害において、施設被災が想定される場合。
  2)レベル2(近隣支援対応)
  • [1] 被災地および近隣都道府県のJHAT隊員のみで支援活動が可能な場合。
  • [2] 近隣都道府県のJHAT隊員を先遣隊として派遣するために事務局はJHAT隊員に出動を要請する。
  3)レベル3(広域支援対応)
  • [1] 被災都道府県及び近隣都道府県のみでは災害時の支援活動が困難又は不十分で、支援活動が長期化すると見込まれる場合。
  • [2] 事務局は全国のJHAT隊員に出動を要請し、事態が収束するまで支援活動を維持できる体制を構築する。

(隊員資格)

第3条 医師・看護師・臨床工学技士の国家資格を有し、透析医療に従事している、または従事した経歴を有する者とする。なお、その他の医療資格を保有する者が隊員登録を希望した際は、都度、事務局会議にて決定する。

(隊員登録)

第4条 隊員登録するための要件は、以下の通りとする。ただし、事務局にて特別の事情があると認めた場合には、その適正を審議し要件にかかわらず登録を認めることができる。

  • [1] 透析医療の実務経験年数が通算5年以上あること。
  • [2] 医療機関、企業等に所属している場合は、書面での所属長(施設長)の承諾があること。
  • [3] 国家資格に応じた医療従事者賠償責任保険に加入していること。
  • [4] JHAT隊員養成研修を受講していること。
  • [5] 隊員登録の有効期限は5年間とする。更新には期限内に指定の研修を受講すること。
  • [6] 上記の要件を満たしている場合でも、事務局が不適格とみなした場合は隊員登録を認めないことがある。

(活動内容)

第5条
1)先遣隊
 発災直後より被災地に赴いて情報収集を実施し、以降の活動方針を決定するために被災地の状況を事務局に伝達する役割を担う。派遣場所については事務局より指定された地域を基本とする。

2)業務支援
 被災した透析施設のスタッフに対し、肉体的・精神的な負担を軽減するために、主に透析業務の支援を実施する。派遣場所は、事務局から指定された透析施設とする。被災の規模によって、JHAT隊員だけでは対応できない場合は、JHAT隊員以外の透析医療に従事する看護師及び臨床工学技士から広くボランティアを募集する。

3)支援物資供給コーディネート
 指定された支援物資供給センターに赴き、物資の仕分け及び配送をコーディネートする。
 仕分け作業人員(職種不問)については、支援物資供給センター近隣を中心に募集する。

(派遣期間)

第6条
1)被災地での全活動期間は約1ヶ月間を目安とし、JHAT隊員個人の派遣期間は原則として移動日を含めた7日間とする。
2)活動期間が前項1)を超える場合は、事務局会議において協議の上、期間延長の要否を決定する。

(活動経費)

第7条
1)支援活動中における水・食料・常備薬・服装・宿泊・移動手段などの必要な備えは自己完結を原則とする。
2)支援活動終了後は、交通費・宿泊費および事務局が認めた経費について事後精算できる。
3)活動支援金として1日あたり2,000円を支弁する。
4)精算及び請求は指定の請求書(活動費申請書)を提出することにより、その該当額が支弁される。精算には必ず領収書を添付すること。

(事故補償)

第8条 事故補償は基本的にはない(自己責任)。ただし、支援活動期間の(出発地と派遣先の移動および宿泊中を含む。)の事故等に対応するため、天災担保特約付き国内旅行傷害保険等に加入する。手続きは事務局が一括しておこなう。業務支援活動中の医療業務上発生した事故補償に関しては隊員個人で加入している賠償責任保険で対応することとする。賠償責任保険未加入のJHAT隊員においては、業務支援以外に限定して派遣する。

<附則>

(情報収集)

災害時の支援においては、限られた人材及び物資等で最大限の効果を発揮しなければならないことから、ニーズを的確にアセスメントして進める必要がある。ニーズをアセスメントするために必要な情報を収集することは、災害時の支援を有効かつ効率的に実施するための前提であり、初動における最重要事項である。

(報告)

災害が発生した際、JHAT隊員は、日本臨床工学技士会災害情報コーディネーターと連携して災害の概況及び被災施設の状況について情報を集約し、事務局およびjoho-MLなどに報告する。

(先遣隊)

事務局は得られた情報から先遣隊を派遣する。先遣隊はすみやかに被災地へ入り、指示された地域または施設の状況を事務局に伝達する。

(業務支援派遣要請)

被災施設の担当者及び先遣隊が協議を行い、業務支援の派遣が望ましいと判断した場合は、必要な支援の内容(派遣者数・場所・期間等)を決定し、事務局に派遣を要請する。また、先遣隊を介さずに被災施設が直接派遣要請を行うこともある。

(派遣希望者の募集と決定)

  • [1] 業務支援について、派遣するJHAT隊員が不足する場合は、構成団体のホームページ及びメーリングリストに支援者(派遣希望者)募集の案内を出す。
  • [2] 支援者(派遣希望者)は施設長(所属長)の許可を得て応募する。
  • [3] 事務局は支援者(派遣希望者)の中から居住地域や経験等を加味して支援者ならびに派遣先を決定し、支援者と直接調整する。
  • [4] JHAT隊員以外が支援活動に関わる場合も本活動要綱を適用する。

(支援物資供給センターの立ち上げ)

  • [1] 先遣隊の情報から物資の支援が必要とJHAT本部が判断した場合は、支援物資供給センターを立ち上げる。
  • [2] 設置場所は、災害の状況により事務局会議の同意にて決定する。
  • [3] 支援物資供給センターは、JHAT本部が指定したJHAT隊員が運営する。仕分け作業要員は、職種を問わず可能な限り近隣からの募集を可とするが、経費の支弁については事務局会議で決定する。

(支援者の準備)

支援者は派遣先の状況を鑑みながら装備や食料を準備する。また、交通機関(交通手段)や宿泊先の目途をつけ、事務局に報告する(基本的にすべて自己完結であるが、宿泊については事務局が確保して提供できる場合もある。)

(支援状況報告)

JHAT隊員は定時報告として1日1回メールもしくはWEB等で支援状況を事務局に報告する。派遣期間が終了したら、すみやかに派遣終了報告書を事務局に提出する。